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ゆりら文庫

創作小説ブログ

もしも私が「夢十夜」を書いたら ~第五夜

こんな夢を見た。

居間のテレビに目をやると、世界の恐怖映像を集めたという番組が放送されている。映っているのは、薄暗い室内にいるスキンヘッドの白人男性。白目の部分に妙な模様が浮かび上がっていることを、自分の目を指さしながら告白している。

なおも話を続けていると、男性は徐々に言葉が途切れ途切れになり、頭を押さえてゆっくりとうずくまっていく。途端に男性は顔を上げ、大声を張り上げた。その白目をむいた形相は、理性を完全に失ったそれであった。いつの間にか男性の顔は、虎の左背中の模様と化していた。人面模様の虎は、もう一匹の普通の虎と激しく戦っていた。テレビの向こうではない、自分の目の前であった。