ゆりら文庫

創作小説ブログ

もしも私が「夢十夜」を書いたら ~第三夜

こんな夢を見た。

雲一つなく晴れ渡った濃い青の空と、同じくだだっ広い地面が広がる。白いコンクリートの地面には何もなく、それが地平線まで続いていたので、自分はここが飛行場だと思った。年の頃が自分と同じ少年少女がたくさんと、大人が数人いたので、それが自分の所属する修学旅行の一団なのだと分かった。

突然、黒い戦闘機が一機、黒煙と轟音を引きずって自分たちの頭上を過ぎたと思うと、少し先の地面に墜落炎上した。と思った次の時には、戦闘機を包む炎の中から、ミサイルが次々と発射される。戦闘機の装置が誤作動したのだと理解した。逃げねば。荷物を全てその場に放り出して、戦闘機から離れるように逃げた。他の少年少女も自分と同じように逃げ出したが、どうもテンションがおかしい。まるで年端のいかぬ子どもが鬼ごっこでもしているかのように、歓声をあげてはしゃいでいる。場違いなのは身の危険を真面目に感じて全力疾走する自分の方であった。

視界の右で、妙に太いミサイルが着弾した。しかし柔らかい金属でできていたらしい直径1mほどのそれは、地面につくと爆発することなく頭からぐしゃりとひしゃげた。

続いて上を見上げれば、自分が走って行くのと同じ方向に飛ぶミサイルを2,3発確認した。ミサイルは自分と目が合うや否や、待ってましたと言わんばかりに降下を始めた。このままではやられるので、地面に突っ伏して転がり、着弾するミサイルを回避した。

ようやくミサイルの急襲が治まったとみて、上体を起こした。皆すっかりちりぢりになって逃げてしまったが、誰も死んではいない風だった。空はいつの間にか、地平線の薄紅色から黄色、白そして薄水色というように、緩やかなグラデーションを描いていた。